高齢社会というと、今もずっと所属している、朗読ボランティアグループが思い浮かびます。
この20年近く、趣味を兼ねてそのグループで朗読を勉強しています。
仲間は15人ほど。
80代90代の方々も、半分くらいを占めます。
5人くらいが50代から60代。
といった感じです。
私もその若い方のグループの一人です。
コロナでお稽古ができなかった間に、亡くなられた方が2人いました。
その中の一人がグループ内で一番の高齢のAさんでした。
自分の母よりもずっとずっと高齢のAさん。
Aさんは、日直当番やボランティア活動では、時間にかなり余裕をもってこられます。
会場が遠くても、できることはしたいからと、進んでボランティア活動にも手を挙げていました。
遠足の時に隣だったので、初めて聞いたのですが、胃がんの手術をされたり、長年婦人会の会長を務めていたそうです。
いつも謙虚でありながら、周りの人をくすっとさせるユーモアセンスがあふれた方でした。
また、家でも朗読の練習をされ、大きな声ではないのだけれど、その飾らない聞いている人に伝わる朗読をされていました。
皆が尊敬する方でした。
コロナのためのお休みの間に、お別れも言えぬままでした。
先生も高齢です。
90歳にもうすぐなられるようです。
先生も魅力あふれる、Giveの塊のような方です。
私自身、朗読の技術の向上ということも大事ですが、この20年近くで、それ以外にもたくさん学べることがありました。
まずは、Aさんはじめこんなふうなお年寄りになりたい、というモデルをみつけることができました。
一緒に学んだり、ボランティア活動をしたりするのですが、同じ目線で、高圧的にされることは一度もなく、また、こちらを立ててくれることもよくありました。
それでいて、年の功の知恵を、優しく温かく伝えてくれます。
また、それぞれの方がおしゃれです。
行動力が皆さん抜群でした。
約束も必ず守ります。
それでいて、失敗した人にも優しい。
そんな方々の集まりでした。
朗読のお稽古というより、好きな人たちに会いに行くと言ったほうが当たっているかもしれません。
だから、年齢の下の私たちは、頑張りすぎずにですが、大好きな高齢の仲間の人たちとの時間を大事に、お稽古を続けていきます。
心があったかくなる高齢の仲間と楽しい時間を過ごすために。