『こころの対話25のルール』の中で、ある社長さんの話が出てきます。
その社長さんは、傾聴の大切さ、そして話を聞くうえで大切なことについての講義のあと、一つの行動にでます。
それは、社員全員に、社長の自分について、会社について、おもっていることを全部話してほしいと、一人一人聞いたのです。
最初は、もちろん、社員も恐る恐る、なかなか思っていることを正直には話せなかったようです。
しかし、話の内容で給料や昇進などには全く影響しないことを伝えました。
習ったとおり、話を途中でさえぎることをしないで、最後までしっかり聞くということをされたそうです。
20分から長い人は2時間。
また、話しても大丈夫だと分かると、社員はそれはしっかり話をしたそうです。
社長は、70人ほどの話を丁寧にきいたそうです。
途中では、自分にとってはらわたが煮えくり返りそうなぐらい、何度も口を出したくなる場面もありながらも、約束を守ってしっかりきいたそうです。
それで、何が起こったか。
社員は、全部聞いてもらったという安心感なのか、自分から、仕事に積極的に関わったり、お茶を入れたりととても雰囲気がよくなったそうです。
そして、社長さんは、全部聞き切ったことで、ご自分が、とても自身ができたし、安心感が持てるようになったそうです。
すべての社員のこころを開いてもらって、正直な声を直接聞きだすことができたのです。
社員も、社長自ら「なんでも言ってほしい」と言われ、また、マイナスのことも面と向かって話すことができる。
そんな関係はなんてすばらしいでしょうか。
私も、一歩踏み出してみようかなと思います。